相続により所有することになった不動産の売却をご検討中の方は注意が必要です。
負動産とは、買主や借主が見つからず、固定資産税を払い続けなくてはならないという、悩ましい不動産なのです。
今回は、不動産売却前に知っておきたい負動産とは何か、相続放棄と負動産の処分方法について詳しく解説します。
徳島県内のエリアで不動産を相続予定の方は、参考にしてみてください。
目次
①不動産売却前に知っておきたい負動産とは?
不動産売却前に知っておきたい負動産とは?
負動産とは?
負動産とは、所有しているだけで経済的にマイナスとなる不動産のことです。
負動産は相続によって取得するケースが多く、自分で利用できないうえに、売ることや貸すことも困難で、固定資産税などの費用だけが発生するといった土地や建物です。
なぜ負動産となるのか?
かつては立派な資産であったはずの不動産が、なぜ負動産と化してしまうのでしょうか。
負動産の多くは親からの相続によって取得した家や土地で、不便な過疎地にあることでなかなか売却もできず、賃貸物件として貸そうにもなかなか借主がみつからないという状況になりがちです。
その結果、空き家として放置されるケースも少なくありません。
空き家となった資産性のない不動産だったとしても、所有している限り固定資産税を払い続けなければならないのです。
負動産となったリスクとは?
近年、負動産となった空き家の急増が大きな社会問題となっています。
誰も住まなくなり、放置された空き家は倒壊の恐れや犯罪に利用されるといった危険性をはらんでいるため、国もその対策に乗り出しました。
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、危険性の高い空き家を「特定空家」と認定し、所有者へ対しペナルティを課すことに決めました。
そのペナルティとは、通常、建物の建っている土地の固定資産税には税額が最大6分の1となる減免措置が適用されていますが、「特定空家」に認定されると、この減免措置が適用されなくなるというものです。
それでなくても経済的にマイナスに作用する負動産を所有している方にとって、特定空家となった場合の増税は大きな負担となるでしょう。
このような負動産は、一刻も早く手放すことをおすすめします。
不動産を相続する際の対処方法とは?
負動産を相続した際には、不動産売却と相続放棄の2つの対処法があります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
対処法①不動産売却
1つ目の対処法は不動産売却です。
相続が発生すると、現金や不動産といった相続財産はすべて相続人の共有状態となります。
すべての相続人が不要であると同意したならば、売却により現金化し、分け合う方法がおすすめです。
相続した共有名義の不動産の売却の進め方
まず、不動産売却は所有者でなければできないため、名義変更をおこないます。
また、共有名義の不動産を売却するには、相続人全員の同意を得る必要があります。
次に代表者を決め、名義変更と価格査定を依頼します。
査定結果を受け、最低売却価格や、不動産売却にかかる費用負担をどのように分け合うかは、売り出し前に話し合って決めておくことが大切です。
そして、不動産会社と媒介契約を締結したら販売開始です。
売買契約までには共有者全員の委任状を用意しておきましょう。
買主がみつかり、売買契約の後に代金の決済、物件の引き渡しをおこないます。
最後に、不動産売却により得た売却益を共有者で分け合い、終了です。
必要があれば、不動産売却の翌年にそれぞれで確定申告をおこないます。
対処法②相続放棄
2つ目の対処法は相続放棄です。
相続放棄とは、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出することで最初から相続人ではなかったとみなされる制度のことです。
相続放棄の手続きは、ほかの相続人の同意を得ることなく単独でおこなうことが可能です。
相続放棄する際の注意点
相続放棄をすると、相続人ではなかったもとのされるため、現金などのすべての相続財産についても相続できなくなるという点に注意が必要です。
つまり、不要な負動産のみ相続を放棄するということはできません。
また、相続人全員が相続放棄をして所有者のいなくなった不動産は国庫に入りますが、不動産に対する管理責任は残ります。
相続放棄により固定資産税の支払い義務はなくなっても、建物が倒壊しないように補強工事をおこなうなどの管理をする責任は手放せないのです。
相続放棄は期限内に手続きしよう
相続放棄ができるのは「自己のために相続の開始があったことを知った日より3か月以内」とされているため、早い段階で不動産の価格査定をおこない、売却するか相続放棄するかを決断することが大切です。
売却のほかにも!負動産の処分方法
相続により負動産を取得したが、不動産売却が困難なケースでは次の対処方法を検討してみると良いでしょう。
負動産を処分する3つの方法
①空き家バンクへの登録
②寄付する
③不動産買取を利用する
それぞれ詳しくみていきましょう。
空き家バンクへの登録
負動産を処分する方法の1つとして、各自治体でおこなっている「空き家バンク」という制度を利用する方法があります。
空き家バンクとは、所有する物件を「売りたい・貸したい」と考えている所有者と、「買いたい・借りたい」と考えている希望者をマッチングするサービスです。
すべての自治体でおこなっている制度ではありませんが、なかには空き家の改修工事に補助金をだしてくれる自治体もあります。
空き家バンクへの登録は無料でおこなえるので、所有する空き家が所在する地域でこのような制度があるかどうか、問い合わせてみると良いでしょう。
寄付する
処分したい負動産の所在地や規模によっては「寄付」をすることも手放す方法の1つです。
寄付をする先としては、自治体、個人、法人、町内会(自治会)などが挙げられます。
売却ではないため利益にはなりませんが、固定資産税などの維持管理にかかる手間やコストからは解放され、実質的にマイナスにはなりません。
ただし、自治体では使用目的がなければ寄付を受け入れてもらえないことがほとんどで、個人や法人への寄付の場合には税務上の問題が生じる可能性があるので慎重におこなう必要があります。
不動産買取を利用する
一般的な不動産売却方法である「仲介」での売却が難しい場合には「不動産買取」を検討してみてはいかがでしょうか。
不動産買取とは不動産会社が直接買主となる不動産売却方法です。
仲介での売却に比べて売却価格が安くなりますが、仲介では売れにくい物件もすぐに手放せるというメリットがあるため、負動産の売却に適しています。
まとめ
負動産は、所有期間が長くなればなるほど経済的負担が増すばかりです。
所有する不動産が負動産であれば、何らかの対策を講じることが大切です。
私たち「プラスナイス」では、徳島市・板野郡を中心に徳島県内で不動産売却のサポートをしています。
負動産の売却でお困りの方も、ぜひ弊社へご相談ください。